インドでも有名!?ヒンディー語で紹介されている"生き神様"
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インドでも有名!?ヒンディー語で紹介されている"生き神様"

土木学会WEB情報誌『from DOBOKU』〜土木への偏った愛

『土木偉人かるた』に収録されているた48名の知られざる偉人たちを紹介していくシリーズものが企画に上がったとき、真っ先に思ったのが『プロレススーパースター列伝』(原作:梶原一騎・作画:原田久仁信)でした。少年期を80年代で過ごした男性で、この作品に胸を躍らせた人は少なくないだろうと思いますが、僕もその中のひとり。

イラストを担当してくださる広野りおさんへのリクエストも「『プロレススーパースター列伝』風にしたい!」とだけで、2021年6月に第1回『空海編』で企画はスタートし、2021年12月1日現在で14本の偉人記事がアップされています。


そんな中、11人目として登場してきたのが「A Living God(生き神)」と呼ばれる濱口梧陵です。記事の担当は横浜国立大学教授の細田 暁さん。数々の伝説を絞りに絞っても手に余るほどになってしまい、前編と後編に分けたものでした。

濱口梧陵は1820年、醤油醸造業「ヤマサ醤油」を営む豪商濱口家の分家の長男として紀州広村(現在の和歌山県広川町)に生まれ、12歳で本家の養子となり、1853年七代目当主として家督を継ぎます。

ヤマサ醤油は千葉県銚子市にある醤油を中心とした調味料メーカーとして有名ですよね。醤油業界では同じ千葉県に本社を置くキッコーマンに次いで全国シェア第2位を誇ります。

そんな醤油屋の当主が「なぜ、土木の偉人なのか?」と投げかけ、紐解いて解説したのが前編「津波防災の日」のきっかけを作った生き神様〜でした。

“生き神”濱口梧陵を伝説とした決定的な出来事が、前編でも語られている「稲むらの火」です。小学校の教科書で習った人もいると思いますが、江戸時代末期の安政南海地震に遭遇した濱口梧陵が起こした数々の行動を指します。


11月5日の午後4時頃,安政南海地震が発生。

津波が発生し、梧陵は逃げる途中で第1波に飲み込まれ、木の幹にしがみついて何とか小高い丘にたどり着く。

この地震の4年前に津波防災の科学的な知識を得ていた梧陵は、第2波、第3波が来ること確信。

高台の神社の近くの”稲むら”に火をつけ、逃げ遅れた人々を高台に誘導。

稲むらは、稲を刈り取った後に、実を取って干した稲の束で、翌年の肥料として使ったり、縄の材料として貴重なもの。

4回にわたった津波は村を壊滅させるが、貴重な稲むらにためらわずに火を放った梧陵の勇気と判断力が、多くの人々を救う。


このエピソードが「稲むらの火」です。ですが、梧陵の行動はこれだけにとどまりません。

  • 大地震の翌朝、隣村の庄屋さんと交渉して、五十石もの年貢米を借りる約束を取り付け、約2週間分の米を確保。

  • 50軒の仮設住宅を私財を投じて建て、家を失った村民たちに無料で住まわせる。

  • 農民の農具、漁民の用具や船、商売への資金などの援助を行う。

  • 将来も確実に襲ってくるであろう大津波から村を守るための大堤防の建設を主導 → この大堤防が約90年後の1946年昭和南海地震の津波のとき、人々を大きな被害から守ることになる。


伝説とは、後世の人たちによって”盛られる”傾向にあるのが常ですが、事実だけをピックアップしても、その偉業は計り知れず、「A Living God(生き神)」と呼ばれたのも納得します。

そんな濱口梧陵の伝説を2回に分けてお伝えしたことを、元ヤマサ醤油の知り合いに共有したところ、こんな話をしてくださいました。

「稲村の火」はしっかり頭に入っています。海外出張でインドに行った時の話なのですけどね、濱口梧陵のことをみんな知っていて驚いたんです。どうやらインドの小学校の教科書に載っているそうなんです。

「ヒンディー語で紹介されているほど、インド人にとって最も有名な日本人が濱口さんだ」そう話してくれた現地の人もいて、大変喜んだことをよく覚えています。

八田與一が台湾の教科書に載るくらい最も有名な日本人として知られていることは聞いたことありますが、まさかインドで、ヒンディー語で濱口梧陵が紹介されていたとは!

これが「ヒンディー語の濱口梧陵」です。

「Final children book- hindi 9.ai」より

ヒンディー語が読めないので、中身まで把握できませんが、イラストだけでもその様子が伝わってきます。「『プロレススーパースター列伝』風にしたい!」とクセ強めの企画に仕立てた僕のイメージとは違い、ほのぼのとしたイラストタッチが全8ページあります。興味ある方はぜひご覧ください。


文責:副偏集長 外山田洋
フリーの編集者 兼 ライター/デザイン制作会社のプロデューサー/ラジオパーソナリティ・MC などと、落ち着きのない仕事感をごちゃっとカバンに詰めて、雨のちハレの精神で生きる人です。趣味はトレイルランニングと農業。土木は門外漢。



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